子どもからのメッセージ [手をつなぐ]愛情のエネルギー
親が子どもに愛情を持つ……、当たり前の話ですよね。
でも最近は、子育てのアドバイスをする前に、まずその親に、子どもに対する愛情があるのかどうかを確かめなければならないような悲しい世の中になってきました。
その親が本当に子どもに愛情をもっているか(親側から言えば「自分は子どもを本当に愛しているのだろうか」)、ということは、客観的にはなかなかわからないものです。
でも、それが簡単にわかる方法があります。
「子どもとよく手をつないでいるかどうか」です。
「車が危ない」「手をつないでいないと迷子になってしまう」などの状況で子どもと手をつなぐのは、親の都合も入っているのですが、子どもを心から愛している人は、それ以外のときでも、すぐに手をつないでいます。
「手をつながなくっちゃあ」とか「子どもにはスキンシップが大事なんだよね」などの義務感でつなぐのではなく、当たり前のようにして、すぐに手をつないでいます。
人間は、その人のことを大好きなとき、自然に手をつなぎたくなるようになっているようです。 その気持ちが、もう勝手にそうさせるのでしょう。
たいして好きでもない人に対しては、手をつなぐなんて思いもつきません。
それを、うっとうしくさえ思います。
だからそんな人は、さっきのように子どもと手をつながざるを得ないような状況のときでも、「手をつなぐ」のではなく、「手をつかむ」ようにして歩いています。
今まで多くの親子を見てきて、子どもへの愛情が不足している人は、その接し方を見ていると、いかなる場面でも、とにかく子どもと手をつなごうとしない姿が目立ちます。
むしろ何とかつながないですむ方法を探しているかのようです。
先日、雨の中で見た2歳くらいの子を連れた母親は、子どもと手をつながず、なんと子どもの傘の一部をつまんで連行するように歩いていました。
ちょっと手をつなぐだけで、子どもにとっては何ともうれしい雨の日になるのに、実にもったいないことです。
子どもは、手をつないでもらうことが大好きです。
手は自分を愛してくれる人しかつないでくれないということを、ちゃんと知っているのです。
手をつなぐと、手をつないでくれた人から子どもへ、その愛情のエネルギーが流れていき、その流れは、1歳の子どもでも感じることができます。
そのエネルギーがいっぱいになった子どもは、7歳くらいでしょうか、十分に満足し、「もう手はつながなくていいよ」状態に必ずなります。
それまでは、子どもとはたっぷりと手をつないであげてほしいと思います。
お金も時間も労力もかけずに、簡単に子どもに笑顔と喜びを与える、究極の子育てアイテムは?と聞かれたら、私は間違いなく、「手をつなぐこと!」と答えます。