子どもの声

子どもからのメッセージ [単語ことば]大人のようこそご注意

「お茶!」
「おかわり!」

子どもが、ひとつの単語だけで用を済まそうとしたとき、大人は、その要求はわかっていても、
「お茶がどうしたの?」
「おかわりがどうしたの?」
と、つい意地悪く聞き返してしまうことが多いようです。
すると子どもは「お茶ちょうだい」と、きちんと言い直します。

でも、そういうふうにひとつの単語のみで用を済まそうとするのは、実は大人のほうが圧倒的に多いものです。

たとえば食事中、子どもがひじをついていると「ひじ!」、足のお行儀が悪いと「あし!」、お箸の持ち方が悪いと「おはし!」……。

[単語ことば]大人のようこそご注意子どもにとっては、まさに「ひじがどうしたの?」と言いたくなるのではないでしょうか。
それぞれ本当は
「ひじをついてはいけません」
「足をお行儀よくしなさい」
「お箸をきちんと持ちなさい」
と言うべきところです。

単語ことばは、大人の世界でもあちこちでよく聞かれます。
「コーヒー」
「すみません、これ」
「あ、お釣りお釣り」
「うしろ!」……。
そう言えば、
「フロ!」
「メシ!」
「寝る!」
の3大ことばは、音からオヤジ族の専売特許でした。
それらはすべて、本当はもう少し丁寧な言い方があるはずです。

でも、相手に多くを語きらせず、こちらが気を利かして相手の思いをくむことが美徳とされている日本では、それで用が足りてきたのです。

だから私は、子どもたちが単語のみで要求を伝えようとするのは、大人のそういう言い方を普段よく聞いているからのような気がします。
子どもに関しては、赤ちゃん時代、「マンマ」「プープー」のみで親がその意をくんで動いてくれていたので、その癖が残っているのかもしれません。

その原因はともあれ、単語ことばのいけないところは、そのことばを言うときに、絶対に笑顔がないということです。

たとえば「ひじをついたらだめですよ」はニコっと笑って言えますが、「ひじ!」「あし!」は笑顔で言えません。
喫茶店でも、注文を「コーヒー」とだけ言う人は仏頂面のことが多く、「コーヒーお願いします」と丁寧に言う人は、やや笑みを浮かべたような顔になっているものです。

大人であれ子どもであれ、相手には単語ことばで用を済まさず、きちんと言う……、そう気をつけるだけでも、自然にまわりに笑顔が増えていくような気がします。



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